2026年8月のこと

前々からやろうと思っていたのだが、Horos の解説記事と HorliX の解説記事を新調した。

Horos -wikipedia 風解説-

HorliX -wikipedia 風解説-

旧記事をどうするかなんだが、今回はそのまま廃棄にする予定。

ところで、最近 Horos に関して言われているのは「限界零細業者にとって都合のいいプロジェクトだった」っていう考察。
issues を見ればわかるが、どこそこの表示を変えてくれとかそんなのばっかり。
おおかた
顧客「ここのフォントを変えたい」
業者「うちならできますよ!」
みたいな背景があったんだろうな。
そんなの自分でやれよと思うのだが、それもできない業者が有り難かっていたんだろうな。

 

バイブコーディングと DICOM Viewer

昨今のコーディングに関する AI エージェントの進化は驚くべきものがあり、医療業界では DICOM Viewer の自作が話題になっている。

なのだが、誰でも人様が使えるようなソフトを作れるかというとそんなことはなく・・・。

自作 DICOM Viewer

「自作 DICOM Viewer」 がネットで話題になったと聞いてちょっと調べてみた。おそらく起源はこの投稿↓。なお、海外ではこれ

しかし、やっぱりというべきか、投稿主さん自体、その後、dicom 関連の投稿をしていない。
文字通り「できた」だけで公開するなどの進展は見られない。

バイブコーディングの文脈で「自作XXX」は語られることが多いが、その大半は「自分の環境では動いた」程度であって、公開して他人が使えるレベルにはなっていないものがほとんどだ。

おすすめ DICOM Viewer

その一方で、バイブコーディングの魔法は、もともとある程度のスキルを持った開発者にはかなり効果的に働く。彼らが作り出すアプリは、業界の勢力図を塗り替えつつある。
例えば、よく「おすすめ DICOM Viewer」として Horos と Osiri-LXIV が挙げられるのだが、これらはもう使われなくなりつつある。

概ね DL 数で順位が決まると言われている App Store のメディカル部門ランキングを見てみよう。(取得日は 2026/08/24)

まず、無料。Horos は App Store では公開されていないのだが、参考のために提示。

トップは Bee。

続けて有料

ある程度本格的に使うならこのカテゴリーになるが、Osiri-LXIV は言われているほどは支持されていないことがわかる。
この傾向は日本だけでなく世界的に見てもそうで、(一般には全く知名度はないと思うが)DICOM ビューアープロDCM Viewer が強い。最近になって PHORLIX が割り込んできたという構図だ。

まとめ

コーディングエージェントの進歩でアプリ制作の敷居は下がっている。DICOM Viewer の自作も可能になってきている。
しかしながら

・一般医療者の自作 DICOM Viewer はネットではそこそこ話題になっているが、公開されているものは多くない。

その一方で、スキルのある人はこの恩恵を受けており

・特色ある機能が従来の有名ソフトを駆逐しつつある。

と言えそうだ。

 

 

 

HorliX/Horos

HorliX 開発の経緯を知る人は、HorliX を紹介するにあたってよく HorliX/Horos などと表記する。
HorliX が Horos の fork だからなのだが、では、HorliX が Horos の改変を全て取り込んでいたかというとそんなことはなく、ほとんどの改変は取り込んでいなかった。

代表的なものが roi-color-rotation-UI で、大元のアイアディアやソースコード自体の提供が Hiroaki-Inomata/air-h-128k-il 名義でなされたにも関わらず、Horos の凝ったコードを取り込むことはしなかった。
Horos のコードの方が見栄えがいいので、周囲は「なんで?」と思っていたのだが、最近になってその理由がわかってきた。
新しいコードが生成する保存形式では他アプリへの互換性も後方互換性も無くしてしまうから、というのがその理由だろう。

大抵のビューアでは、ROI を DICOM SR というフォーマットで記録する。
Horos もそうなのだが、SR の内部的に独自形式を使っていて他のアプリでは読めない。ここでさらに独自の情報を加えてしまうと、古いバージョンの Horos でもこの情報が読めない。
これではなんのための改変なのかわからない。
HorliX 開発陣が選択したのは、この改変を取り込まないこと、つまり、動作時にのみ ROI の色がくるくる変わるだけで、色情報そのものは保管しないこと、だった。
確かにこうしておけば、アプリ間の互換性そのものは保たれる。その後、改変するにしても作業の見通しがいい。

ああ、そういうことだったんですかと答え合わせさせてもらった気分です。

ataraxia
ANN2b

(追記)これ書こうか書くまいか迷っていたんだが、思い切って書くと、群馬大の dicom viewer の紹介ページがひどい。
ダイコムに関与する開発者・研究者目線で言うと Horos や miele は、ほぼ完全に「使えない」ソフトだ。
ROI の計測データやセグメンテーションの結果が、他のアプリに移行できないのだから、まともな解析用途に使えるわけがない。
閲覧するだけならいいではないかと思いはするが、それでもさすがに「OpenGL に依存するために deprecated な機能を使っている」ことくらいは明記すべきだろう。
群馬大医学部がゴタゴタしているのは知っているが、その一端が出ているよう気がする。

バイブコーダーたち

某氏が Mac 向けの DICOM Viewer のおすすめ記事書いているが、いや、マニアック(笑)

Metal ネイティブ対応云々でワンライナーのコマンド出してくるあたりが、実に「らしい」。

それはともかく、その記事で角辻先生の MultiDICOMViewer が取り上げられていたので、いくつかコメント。

MultiDICOMViewer

まず、アプリは OSS ではあるが、開発者に OSS の流儀に従う意思はあるかといえば、ないでしょう。

PyQt 使う → Qt 入っている → GPL 適用

という流れで見かけ上 OSS にする必要があっただけだから。OSS の理念に感銘を受けてとかいう話ではない。しかも、他アプリの fork ではなく、エージェントと二人三脚でスクラッチで作っているのだから、OSS 的な運営をする気持ちは微塵もないでしょう。

OSS らしさがないことに少し残念に思う気持ちもあるが、今後はこういう人たちが増えていくでしょう。

だから、AI の助けを借りてたまたま「バイブコーダー」になった人に見られる共通の特徴のようなものついて考えてみたい。なので、以降は、角辻先生が、という話ではないです。

作りたいものを作ってオシマイ!

これはあるでしょうね。
動機が「◯◯を作りたい!」だと思うので、本人にとっては何の不満もないのだろうが、ちょっと惜しいなと思わないでもない。ストレージ機能や出力機能を付け加えたらもっと良くなるのに・・と思うことは多々あるからだ。ただこういった感想は、ある程度目が肥えているから言えるのであって、そこはバイブコーダーとは感覚が違うのだ。

上と関係しているのかもしれないが、これだけ AI が進化しても

アプリを作れない人たちもいる

のは、もうちょっと認識されていい事柄だ。

(続く)

 

【精神科】非指定医は4割減【通院精神療法】

2026 の診療報酬改定で一番のトピックは「非指定医の通院精神療法4割カット」で、多くの精神保健指定医はこの改定に賛同している。
これで、出鱈目な治療をしている非指定医を市場から追い出すことができるぞと。

なのだが、やはりと言うべきか、逆張り君も出現するんだな。

X で見た中ではこれが最悪。

なんか人の投稿に乗っかって反論のための反論をしている感じ。

「指定医の質」?

あのさ、今は、明らかに質が担保されてない非指定医の診療に引導を渡すってことが重要なわけ。
現在指定されている精神科医やこれから指定医を取得する予定の後期研修医がどういう反応するかは未知数。
なんでそんなところまで予測しなきゃならんの?