ORCA クライアント monjiaj をソースよりビルド

ORCA シリーズ。

Mac 上で動く ORCA のクライアントを導入しようとしたら、公式サイトには JDK 14 用はあがったいなかった。
せっかく Java 開発環境を用意したので、Java 版の monjiaj をソースコードよりビルドした。たぶん、それほど難しくない。とりあえずテスト的に使うだけなので SSL 対応は無視した。ビルド産物をいろいろつくってくれるようだが、そのうちの一つを立ち上げる。

実際に ORCA サーバに繋いでみる。

以前に登録した秋「場」ちゃんを呼び出せてますね。よかったよかった。

これで、患者さんを登録するのにいちいち(Parallels の)Ubuntu のクライアントを使う必要はなくなった。

(追記)現在(2022)だとビルド途上で failure が出るのだが、out ディレクトリの方の jar を使えば問題なく ORCA サーバーと接続できる。

なお、プログラム自体に署名するときは以下のようなやり方でやるらしい。


署名の設定

pom.xml、maven-jarsigner-pluginプラグインのコメントを解除し編集する。


<plugin>
<groupId>org.apache.maven.plugins</groupId>
<artifactId>maven-jarsigner-plugin</artifactId>
<version>1.4</version>
<executions>
<execution>
<id>sign</id>
<goals>
<goal>sign</goal>
</goals>
</execution>
</executions>
<configuration>
<archiveDirectory>${project.build.directory}</archiveDirectory>
<includes>
<include>*.jar</include>
</includes>
<keystore>${project.basedir}/keystore</keystore>
<alias>alias</alias>
<storepass>storepass</storepass>
<keypass>keypass</keypass>
<tsaLocation>http://timestamp.globalsign.com/scripts/timstamp.dll</tsaLocation>
</configuration>
</plugin>

署名用のキーストアの設定を以下の項目で行う。

* keystore
* keystoreファイルのパスを入力する
* ${project.basedir}はpom.xmlのあるディレクトリに置換される
* keypass
* keystoreに格納されている秘密鍵のパスフレーズを入力する
* storepass
* keystoreのパスフレーズを入力する
* alias
* 証明書のaliasを指定する
* tsaLocation
* 証明書のTSAのURLを指定する


ANN2b
(技術協力 猪股弘明

 

Donuts とは?/電子カルテランキング

Donuts

ネット x 医療 だと、メドレーとかメディカルノートが有力なプレイヤーとみなされていたと思うのだが、この(2018年のこと)7月から新たなプレイヤーが意外なところから現れた。

そのプレイヤーは Donuts (日本語表記がドーナッツなのかドーナツなのかわからなかったため、ここではドーナツで統一)。彼らが7月にリリースしたのは、クラウド型の電子カルテ CLIUS (クリアス)。

電子カルテ自体は、医師免許活かしてサンプルでももらってそのうち評価したいと思うが、面白いのはドーナツがもともとはゲーム製作会社だということ。現に今も会社のスローガンは、Change the Game である。

ドーナツは、早稲田理工修士卒の西村啓成さんと東京工業大修士卒の根岸心さんが DeNA を経て 2007 年に設立。主にゲーム関連事業で成長、2015年から労務管理ソフト、ジョブカンをリリース。そして、今年の 7月にクリアスをリリースするに至った、というわけだ。

ふうっ。

キリンゼロが出てきた時も驚いたのだが、今度はゲーム関連からのヘルスケア分野進出ですか。もう、これは何が出てきても驚きませんね、私は。

 

(追記)最近 -2020年8月- だと、ブースターテクノロジーさんというところが会社ブログの記事『電子カルテシステム「OpenDolphin」を使ってみる』で、OpenDolphin の構成を評価した上で、「サーバーサイドはJavaである必要はなさそう」、「クライアントアプリケーションもJavaのデスクトップアプリである必要はなさそう」ということで「ブラウザで使える普通のWebシステムに」作り直せばいいのではないか?というようなことをいっている。
スクリプト言語のフレームワークを用いたブラウザ閲覧タイプという路線でしょうか。十分ありだと思いますね。

 

電子カルテランキング -2018-

ちょっと気になったので電子カルテのランキングも調べてみた。

出典は、m3というサイトでの 2018 年 6 月までの資料請求などの閲覧数。

1位 デジカル(デジカル)

2位 Dynamics(ダイナミクス)

3位 Medicom-HRV(パナソニックヘルスケア)

4位 カルテZERO(きりんカルテシステム)

本当は10位まで公表されているが、全公表は問題ありそうなので4位まで。

でもこれだけでも大雑把な傾向はわかる。

人気なのは、定番の電子カルテクラウド型。正直、この傾向は数年前から続いていると思う。実際の医師は新規なものを求めているわけではないことがよくわかる。

実際、購入後の満足度調査でも同様の傾向がみられる。医師は定番の電子カルテの安定性を追い求め、購入後、それを確認して満足しているのだ。

さて、CLIUS ら新規製品はどの程度、この市場を攪乱できるだろう?

 

(追記)余談になるが、OpenDolphin というオープンソースの電子カルテが人気を落とした理由はこれだろう。軽い解説記事書いたので追記。
オープンソースなのだから、コードの隅々まで商用開発元が熟知しており、少々難しいカスタマイズも難なくこなしてくれる・・・と期待しがちだが、実際の運営はこれとは真逆だったからだ。むしろサポートがイマイチという声の方が多かったくらい。マニュアル本のアマゾンレビューでも手ひどく批判されている。


一時期、人気ランキングでも上位にきたが、その後、失速したのはこれが原因の一つだろう。公称では、導入数500を謳っていたが、実稼働は200程度と言われている。
結局、長らく商用版を開発・販売していた LSC(ライフサイエンスコンピューティング)は、メドレーに事業を譲渡。
だが、これとは並行して、自力運用は盛んに行われていた。現在でも、カスタマイズ・ドルフィンが稼働している施設は多いと思われる。


(追記2)かつて OpenOcean と呼ばれていた猪股版 OpenDolphin がひさびさに実戦投入される予定。ファイルバックアップシステムに加え、データ抽出ツールも再ビルド


なお、こちらのバージョンが某商用クラウド型 OpenDolphin のベースになっているのは、けっこう有名な話。

 

データ書き出し機能を最初に実装したのは OpenDolphin-2.7m じゃないか?

ところで、最近(2021 冬) ORCA のユーザーメーリングリストで「ORCA 連動型の電子カルテで何がいいか?」という話題が出た。

コスパ面と技術構成(ORCA なしでも運用できる)からデジカルがけっこう評判よかったようだ。

次点くらいの感じで(上で取り上げた) CLIUS もそこそこの支持を受けていた。
ユーザーの要望が反映されやすい開発ポリシーになっているようだ。
例えば、よく問題になる「データの囲い込み」に関しても

◦ 自院のパソコンにバックアップが可能な点
 これを一番要望しており、今年実現しました。PDFファイルでのカルテバックアップはよくあるのですが、CLIUSは自院のパソコンにJSONでバックアップが取れるので、カルテデータを人質に取られる懸念が少ないです。(山崎産婦人科の山崎健太郎先生の投稿より

といった配慮がなされている。
ただ、(CLIUS がブラウザタイプのため仕方のないことだが)自院端末へのデータのバックアップには一手間かかるようだ。

ところで、医師、特に開業医さんならば、絶対に欲しいこの機能だが、最初に実装されたのは OpenDolphin-2.7m (OpenOcean)じゃないか?
(LSC版やメドレー版には実装されていない点には注意してください)
先ほど調べたが、GitHub に初登場した時点で既にこの機能は実現されていた。

業者ならともかく、これを「役立たず」と批判した「医師」がいるのは、なんなんだろうね。

 

AAN2b

 

 

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