PHORLIX Lite が PHORLIX と別系統で発展を遂げ始めたため、稿を分けます。
概要
MacOS 上で稼働するフリーの(ここでは「無料の」という程度の意味)医療画像ビューアーは、2010 年代までは OsiriX が普及していた。
OsiriX がオープンソースではなくなったため、オープンソース時代の OsiriX から派生して Horos や HorliX などのプロジェクトが誕生したが、アップルが提供する開発環境が変化するにつれ
・画像描画が OpenGL に強く依存しており Metal への移行が極めて難しい
・ライブラリに x86_64 ベースのものがあり arm CPU への移行が困難
・GUI が Xib ベースであり、将来的にもサポートが受けられるか不安
などの問題が顕在化するようになった。
既存プロジェクトをベースに地道に移行・改良作業を行うというアプローチも考えられるが、これとは別に全く新規にプロジェクトを起こすというアプローチも考えられる。
2023 年、HorliX のメイン開発者であった猪股弘明氏が GW 中の「空いた時間を利用して」1 ヶ月程度で一からビューアのプロトタイプを作成した。
ここから PHORLIX プロジェクトが誕生した。
その後、しばらくは目立った活動はなかったが、2024 年末、機能をビューア機能に絞り、アルゴリズム・実装方法などを大幅に改善した PHORLIX Lite が公開された。翌 2025 年初頭、機能的には同一のバージョンが MacAppStore からも配信された。
したがって、PHORLIX Lite には、MacAppStore 版と開発者サイトからダウンロードできるバージョン(直接配信版)の二つが存在する。
直接配信版で実験的な機能がまず実装されるため、時期によっては両者は同一ではない。
技術的特徴
上述の問題点を解消するため、グラフィック機能は完全に Metal のみで書かれている。また、ターゲットとなる CPU は arm アーキテクチャのみで Intel x86_64 アーキテクチャはサポートされていない。
GUI は Xib ベースではなく、storyboard 上で構築されている。
「フリー」ソフトウェア
PHORLIX は、クローズドの形で開始されたが、プロトタイプ作成時点では、「関係者の声を聞くため」そのソースコードが GitHub 上で一般に公開されていた。
しかし、 オープンソース開発方式継続への要求はまったくなく、プロジェクトへの貢献が少数の固定メンバーに限られていたため、関係者のみでソースコードを共有する管理方式に変更となった。
しかし、そのベータ版のバイナリが、開発者公式ページから「自由に」ダウンロードできるため、ここでは「フリーソフトウェア」として紹介した。
v1.0.7 の衝撃
当初は PHORLIX の簡易版とみなされていたが、直接配信版の v1.0.7 で、PHORLIX でも実現できていなかった CLUT Editor の大幅な改良がなされ、先進的な機能を試験的に実装するバージョンとみなされるようになった。
