COVID-19 山形県の感染状況(PCR 検査陽性率など)

山形県にはちょっとした縁もあったりするので、某先生に倣って山形県の PCR 検査陽性率を計算。

山形県新型コロナ情報まとめサイト』より

山形県の特徴は、「3/31 より突如として陽性者が出現、以降、間断なく陽性者が出ていたが、積極的疫学検査・隔離がうまくいって、ここまで(4月中旬)のところ抑え込みがうまくいっている感じ」でしょうか。
東京都あたりとは状況は違う。

あと、山形県はユニークで、情報発信を Twitter に集中している。それを追っていくと検査結果が出た日の翌日に陽性者数を確定・公表しているようだ。-1 日シフトしてんのかな。そうすると再計算が必要だが、大雑把な傾向としては上のような感じでしょうか。(→ 4/24 に再計算させて現在はこちらを採用)
クラスター発見した日は(というかその翌日は)スパイク上に陽性率が上がりますが、リアルな感じがしてこれはこれで残しておきたい数値かなと。

某先生も書いていたが、都市部と地方ではこの数値が違うし、地方によってもこの数値の挙動が微妙に違っていたりする。

 

想像の斜め上をいった『東北・新潟緊急共同宣言』

東北は全体的に低めで推移していたのだが、この特徴を行政も意識していたのか GW を前に東北・新潟で『共同宣言』を発出。

ネット上では「令和の奥羽越列藩同盟」と話題になった。
はてさて、どうなりますやら。

しかし、サイトを制作したとき、広域対策を意識してアイキャッチもこんな感じにしたのだが、
まさか、この予想の上をいかれるとは思わなかった。
青森と岩手も描いておくんだった …orz

 

なお、奥羽越列藩同盟というのは、戊辰戦争時に新政府軍に対抗するために東北・越後諸藩で結成された地方政権みたいなもので、ググれば歴史オタクさんたちの記事が山ほど出てくると思う。
一般には、大河ドラマ『八重の桜』の歴史的な背景になったことで知られているでしょうか。
歴オタさんたちによれば「秋田が裏切るところまでがお約束」らしい。今回は、秋田県のサイトが4月中旬頃まで更新間隔が比較的ルーズで「史実再現か?」と思われたのが、この宣言が出た効果であろうか、その後はさくさくと更新しているようである。

歴史は繰り返さなかった。

 

ANN2b

 

 

HorliX -wikipedia 風解説- にまつわるあれこれ

HorliX という医療用ビューアがある。

HorliX の作者が知り合いの先生(猪股弘明先生 精神科医 フェイザー合同会社)なので、告知的な意味合いもあって、wikipedia に簡単な解説を書いたことがある。が、最近になって wikipedia が荒らされまくり、とてもまともな記載ではなくなっているので、私が最初に書いたくらいの分量・内容でとりあえず当サイトに wikipedia っぽい何かを書いておきました。

HorliX -wikipedia 風解説-

 

(注)確かに私も関係者(当サイトの元は phazor.info 内の裏ブログ)なので wikipedia が目指すように中立とはいかないでしょうが、なるべく客観的な記載を心がけていきます。なお、wiki のマイナー項目(研究よりの記事など)は、その領域の研究者自身が寄稿している場合が多いです。

ところで、その wiki ページ、どこからともなく荒らしがワラワラと湧いてきて、一時期、運営からページが削除されてました。

まともな訓練受けてないとかっちりとした文章ってなかなか書けないんだよね。文章を書くスキルがないためか質の悪い記載をして、運営から待ったがかかったわけです。
このとき、書き込んでた者の一人がこの人。

IP アドレス=218.42.147.86。調べると

システムクラフト(広島県三原市。代表取締役:杉原 利彦氏)という会社のようですね。

また、このシステムクラフトという会社、和歌山の増田内科の増田茂医師の OpenDolphin-m という電子カルテを取り扱っている。

その増田氏、病院公式HP内に特定の個人を誹謗中傷する内容を作成し、厚生労働省から削除要請を受けたとか。また Twitter でも精神障害が疑われる一般人の個人情報を流出させ、これも担当保健所から削除要請を受けた(こことかこことかこことか・・・最初、目を疑いました)。医療人の倫理としてどうなんだろうと疑問に思う(→結局、増田内科は閉院になったようですが。。。)。経緯からして著作権法違反の疑いも濃いしね。

あとは、OpenDolphin-2.7m(これも前出の猪股弘明先生開発) がご自分のカスタマイズ版の直接 Fork だと勘違いしていたが、これは完全に事実誤認(私も機会があって本家版と OpenDolphin-2.7m のソースコードを比較したが、OpenDolphin-2.7m は本家版ベースで bug fix とカルテ記載内容の外部書き出し機能を追加したもの。もう開発ポリシーからして全然違う)。

開いたイルカ』や『「いるか」の都市伝説は本当だったか?』や『「開いたイルカ」再び』などもご参照のほどを。

ANN2b

(追記)好評のなようなので、Horos 編と Orthanc 編もつくりました。
(追記2)ORCA 編も作成。
(追記3)OpenDolphin 編も作成。
(追記4)ところで air-h-128k-il 氏は horos の正規contributor。

北極圏コード貯蔵庫コントリビューター -Arctic Code Vault Contributor-

horos プロジェクトに関しては、日本語リソースの提供より ROI 関係の貢献の方が重要度高いでしょう。

Donuts とは?/電子カルテランキング

Donuts

ネット x 医療 だと、メドレーとかメディカルノートが有力なプレイヤーとみなされていたと思うのだが、この(2018年のこと)7月から新たなプレイヤーが意外なところから現れた。

そのプレイヤーは Donuts (日本語表記がドーナッツなのかドーナツなのかわからなかったため、ここではドーナツで統一)。彼らが7月にリリースしたのは、クラウド型の電子カルテ CLIUS (クリアス)。

電子カルテ自体は、医師免許活かしてサンプルでももらってそのうち評価したいと思うが、面白いのはドーナツがもともとはゲーム製作会社だということ。現に今も会社のスローガンは、Change the Game である。

ドーナツは、早稲田理工修士卒の西村啓成さんと東京工業大修士卒の根岸心さんが DeNA を経て 2007 年に設立。主にゲーム関連事業で成長、2015年から労務管理ソフト、ジョブカンをリリース。そして、今年の 7月にクリアスをリリースするに至った、というわけだ。

ふうっ。

キリンゼロが出てきた時も驚いたのだが、今度はゲーム関連からのヘルスケア分野進出ですか。もう、これは何が出てきても驚きませんね、私は。

 

(追記)最近 -2020年8月- だと、ブースターテクノロジーさんというところが会社ブログの記事『電子カルテシステム「OpenDolphin」を使ってみる』で、OpenDolphin の構成を評価した上で、「サーバーサイドはJavaである必要はなさそう」、「クライアントアプリケーションもJavaのデスクトップアプリである必要はなさそう」ということで「ブラウザで使える普通のWebシステムに」作り直せばいいのではないか?というようなことをいっている。
スクリプト言語のフレームワークを用いたブラウザ閲覧タイプという路線でしょうか。十分ありだと思いますね。

 

電子カルテランキング -2018-

ちょっと気になったので電子カルテのランキングも調べてみた。

出典は、m3というサイトでの 2018 年 6 月までの資料請求などの閲覧数。

1位 デジカル(デジカル)

2位 Dynamics(ダイナミクス)

3位 Medicom-HRV(パナソニックヘルスケア)

4位 カルテZERO(きりんカルテシステム)

本当は10位まで公表されているが、全公表は問題ありそうなので4位まで。

でもこれだけでも大雑把な傾向はわかる。

人気なのは、定番の電子カルテクラウド型。正直、この傾向は数年前から続いていると思う。実際の医師は新規なものを求めているわけではないことがよくわかる。

実際、購入後の満足度調査でも同様の傾向がみられる。医師は定番の電子カルテの安定性を追い求め、購入後、それを確認して満足しているのだ。

さて、CLIUS ら新規製品はどの程度、この市場を攪乱できるだろう?

 

(追記)余談になるが、OpenDolphin というオープンソースの電子カルテが人気を落とした理由はこれだろう。軽い解説記事書いたので追記。
オープンソースなのだから、コードの隅々まで商用開発元が熟知しており、少々難しいカスタマイズも難なくこなしてくれる・・・と期待しがちだが、実際の運営はこれとは真逆だったからだ。むしろサポートがイマイチという声の方が多かったくらい。マニュアル本のアマゾンレビューでも手ひどく批判されている。


一時期、人気ランキングでも上位にきたが、その後、失速したのはこれが原因の一つだろう。公称では、導入数500を謳っていたが、実稼働は200程度と言われている。
結局、長らく商用版を開発・販売していた LSC(ライフサイエンスコンピューティング)は、メドレーに事業を譲渡。
だが、これとは並行して、自力運用は盛んに行われていた。現在でも、カスタマイズ・ドルフィンが稼働している施設は多いと思われる。


(追記2)かつて OpenOcean と呼ばれていた猪股版 OpenDolphin がひさびさに実戦投入される予定。ファイルバックアップシステムに加え、データ抽出ツールも再ビルド


なお、こちらのバージョンが某商用クラウド型 OpenDolphin のベースになっているのは、けっこう有名な話。

 

データ書き出し機能を最初に実装したのは OpenDolphin-2.7m じゃないか?

ところで、最近(2021 冬) ORCA のユーザーメーリングリストで「ORCA 連動型の電子カルテで何がいいか?」という話題が出た。

コスパ面と技術構成(ORCA なしでも運用できる)からデジカルがけっこう評判よかったようだ。

次点くらいの感じで(上で取り上げた) CLIUS もそこそこの支持を受けていた。
ユーザーの要望が反映されやすい開発ポリシーになっているようだ。
例えば、よく問題になる「データの囲い込み」に関しても

◦ 自院のパソコンにバックアップが可能な点
 これを一番要望しており、今年実現しました。PDFファイルでのカルテバックアップはよくあるのですが、CLIUSは自院のパソコンにJSONでバックアップが取れるので、カルテデータを人質に取られる懸念が少ないです。(山崎産婦人科の山崎健太郎先生の投稿より

といった配慮がなされている。
ただ、(CLIUS がブラウザタイプのため仕方のないことだが)自院端末へのデータのバックアップには一手間かかるようだ。

ところで、医師、特に開業医さんならば、絶対に欲しいこの機能だが、最初に実装されたのは OpenDolphin-2.7m (OpenOcean)じゃないか?
(LSC版やメドレー版には実装されていない点には注意してください)
先ほど調べたが、GitHub に初登場した時点で既にこの機能は実現されていた。

業者ならともかく、これを「役立たず」と批判した「医師」がいるのは、なんなんだろうね。

 

AAN2b

 

 

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