バイブコーダーたち

某氏が Mac 向けの DICOM Viewer のおすすめ記事書いているが、いや、マニアック(笑)

Metal ネイティブ対応云々でワンライナーのコマンド出してくるあたりが、実に「らしい」。

それはともかく、その記事で角辻先生の MultiDICOMViewer が取り上げられていたので、いくつかコメント。

MultiDICOMViewer

まず、アプリは OSS ではあるが、開発者に OSS の流儀に従う意思はあるかといえば、ないでしょう。

PyQt 使う → Qt 入っている → GPL 適用

という流れで見かけ上 OSS にする必要があっただけだから。OSS の理念に感銘を受けてとかいう話ではない。しかも、他アプリの fork ではなく、エージェントと二人三脚でスクラッチで作っているのだから、OSS 的な運営をする気持ちは微塵もないでしょう。

OSS らしさがないことに少し残念に思う気持ちもあるが、今後はこういう人たちが増えていくでしょう。

だから、AI の助けを借りてたまたま「バイブコーダー」になった人に見られる共通の特徴のようなものついて考えてみたい。なので、以降は、角辻先生が、という話ではないです。

作りたいものを作ってオシマイ!

これはあるでしょうね。
動機が「◯◯を作りたい!」だと思うので、本人にとっては何の不満もないのだろうが、ちょっと惜しいなと思わないでもない。ストレージ機能や出力機能を付け加えたらもっと良くなるのに・・と思うことは多々あるからだ。ただこういった感想は、ある程度目が肥えているから言えるのであって、そこはバイブコーダーとは感覚が違うのだ。

上と関係しているのかもしれないが、これだけ AI が進化しても

アプリを作れない人たちもいる

のは、もうちょっと認識されていい事柄だ。

(続く)

 

OpenOcean/Dolphin GPL LICENSE に基づくソースコード利用の指針

いわゆる小林怪文書に対する反論記事はかなり増えたが、その意図は猪股先生も

・・この文書がまとめサイトのようなところに長期に渡って転載されていたのが最近になって判明した。
拡散されることはまずないと思うが、困るのは(出来の悪い) AI などによるまとめで、ニッチな分野の場合、その分野に関する文書があるだけでそれを無条件に正しいと学習してしまうようだ。
OpenOcean 怪文書 -GPL 誤用による違法行為教唆-

と言うように、ほぼ AI まとめ対策であった。
ネットのあちこちから某社の AI まとめに対する呪詛が聞こえてくるが、記事書くのも大変だったのではないかと思う。
何事かを明らかにするわけでもないし、こんなのモチベーション上がらんよね。
私も何か貢献できないかなと思いつつも、直接の当事者というわけでもなく、大してお役に立てずにいた。

ただ、傍で見ている分には非常に興味深い知見も得られたと思うので、ここではこれに関してまとめてみよう。
得られた知見で有意義だったものは、主に二つ。

一つ目は、やはり、皆川和史による LICENSE 文書の改ざん
オープンソースの素晴らしさを語る人は多いが、ここまで明確にオープンソースの負の側面が浮き彫りになった事象はそうは多くはないだろう。
オープンソースの負の側面というのはいうまでもなく「誰がソースコードを書いたのか」が曖昧になりやすい点。通俗的な表現をすればパクリ。e-dolphin 時代からの継続性を考えれば、「dolphin は皆川の個人著作」というのは無理がある。
しかし、ここまであからさまなものだとは思いませんでした。

ちなみに、私はまったく気が付いていなかった。
ただ、猪股(弘明)先生は 2018 年時点でも気が付いていたのではないかと思う。先生と LSC との間で当時どんな取り決めをしたのかはわからないが、なんらかの事情で改ざんの事実を伏せていて、怪文書への「反論」という形で今回明らかにしたのではなかろうか。

二つ目は、dolphin のバージョンによってソースコードの利用の仕方を変える必要があることを周囲に認識させたことだろう。
具体的には、

(1) Digital Globe 時代(2.2 以前)→絶対に使わない方がいい

(2) LSC 時代(2.4, 2.5, 2.6, 2.7 系)→絶対に使ってはダメというわけではないが、LICENSE 文書が改ざんされていることは意識しておくこと
→絶対とまでは言いませんが、使わない方がいいです。後述します。

(3) 2.7m 系→推奨。よほど変なことをしない限り、開発陣から無意味で非生産的な干渉はしない

(1) に関してはいうまでもないでしょう。あの Digital Globe 管理時代のコードゆえ、使ったら、後で何を言われるかわからない。
2.2 系から 2.3m(いわゆる増田ファクト。ただし、LSC が管理していたという説もある)が派生しているが、これも絶対に使わない方がいい。

皆川・小林・増田らが、2.7m 系に難癖つけていたのは、2.3m からの派生と誤認していたから(か、あるいはそう思いたかったから)だが、2.7m の独自実装部分(ファイルバックアップシステムなど)に関してはまるで認めていなかった。
そのくせ、2.7m 系が公開していた、LSC サーバ docker 版との接続方法クライアント起動モードの調整コードなどは丸パクリである。

他人が開発した部分は認めないが、使うのは俺の自由。

といった風である。ジャイアンか。

(2) は、怪文書に対する反論記事が出てきたおかげで、彼らも言いがかりはつけにくくなったと思うが、改ざんとはいえ dolphin-dev の LICENSE 文書にはいまだに

Copyright (C) 2001-2011 Kazushi Minagawa. Digital Globe, Inc.

の表記が残っている。
2011 で期限切れでは?なんて常識は彼らには通用しない。「Minagawa の名前が残っているから、このバージョンも皆川の個人著作だ」的な超論理を振りかざしてこないとも限らない。状況に応じて適切に修正しても「GPL 違反だ!著作権法違反にもつながる!」なんて言い始める。実際、怪文書ではそうだった。
個人的には使わない方がいいと思う。
→実際、OpenDolphinNext では「ドキュメント最終変更者の意向を尊重して」 GPLv2 としている。最終変更者の意向を尊重するなら「2001-2011 は Digital Globe 社が著作権を保有し、ライセンスは GPLv2 であった」と過去の著作権保有を主張しているに過ぎず、それ以降は、この LICENSE 文書では v2 か v3 かは決まらない。ただ、そのような主張をする人が実際に出てきた以上、使わない方がいい。「前例はこうだから」と主張する口実を与えてしまったからだ。

(3) はまあ大丈夫でしょう。
ただ、たとえ通常時は常識的で善良な市民であっても、ひとたび「開発者」という名誉を独占するチャンスが見えた時、人は簡単に悪を働く、というのはオープンソース界隈で散々見てきた光景だ。2.7m 系のドキュメントを参考にしても、コードは 2.7 ベースにしておく、みたいなことはこれまでにも何度かあったのだ。
例えば、OpenDolphinNext というプロジェクトは、ベースは dolphin-dev 2.7.1 なので (2) パターンだが、データ構造の核心的な助言をもらっても謝辞を述べるわけでもない。
こういうのは、今後はさすがに・・・という感じではある。

 

OpenDolphin-2.7m contributor
ANN2b

注意!

なお、上の説明はあくまで「OpenDolphin が GPL である」という前提に立っています。2.7 系は LSC が GPL をやめたため、例えば、GlassDolphin やメドレーの OpenDolphinPro は GPL に縛られず開発が継続されています。
ただし、GlassDolphin や メドレー dolphin は、例外規定と言ってよく(譲渡先や 2018 時点で独自運営していた組織)、今頃になってライセンスが曖昧になったソースコードを利用するのは、その意味でも賢明とは思えない。
なお、2.7 派生の 2.7m 系でソースコードなどが今でも公開されているのは、メインの開発者が

私が、いくつかの 2.7系 dolphin を今でも GPL で公開しているのは、初期のドルフィンプロジェクトの理念をある程度リスペクトしているからです。それだけです。
OpenOcean 怪文書 -GPL 誤用による違法行為教唆-

と考えているためです。

参考

OpenOcean 怪文書 -GPL 誤用による違法行為教唆-
反論系の記事の中ではナンバーワンでしょう。

OpenDolphin/Ocean と職務著作と GPL
OpenDolphin は職務著作であるが、小林慎治は「職務著作」がわかっていなかった。怪文書では、皆川和史の個人著作としている。
というか、そもそも「個人著作/職務著作」という概念すらなかったでしょう、この人。さすが、無資格のオープンソース評論家。

追補

OpenDolphinNext のコード拝見しましたが、現状(2026年3月)だと、モデル自体に瑕疵があります。サーバ-クライアント間で通信させると正常動作しない可能性が高いです。
仮に動いたとしても、モデルの設計が合理的とはいえず、私ならまず使いませんね。

 

 

 

ネット上の「ヤバい人」再録

出身研究室の合同OB会があったときに出たネタを某院生がブログに書いていたくれたのだが、諸々の事情で非公開になっていた。
けっこう面白いと思ったので、関係者の許可を取ってこちらに転載。


GW 期間中の某日、恒例の OB・OG を交えての懇親会があったのだが、そのとき話題に昇った「ヤバい人」が本当にやばかった話をまとめる。

以前にもどこかで、医師にはマナーの悪い人もいるみたいなことを書いたが、それはお金に汚い、とか理工系関係者に対する態度が尊大だ、程度のことだ。この人は筋金入りだった。某先生いわく「治療が必要なレベル。発達障害と人格障害を足して2で割って、さらにサイコパス要素も加えたようなレベル」だそうだ。粘着な感じも相当で、だから、ここではこちらが特定されないように「ヤバい人」という呼称を使わせてもらう。

技術的におかしなことを挙げていくときりがないし、今回伝えたいことはそういうことではないので、こういう特徴を持った人がいたらまともにかかわっちゃだめだよ!的な感じでまとめたい (^^;)

・態度が身分不相応に尊大。現実的には、社会的評価や業績に圧倒的ともいえる差があるにもかかわらず、特定の意にそぐわない行動を取る人を攻撃対象としかみていない。

・反論が幼稚にもかかわらず、なぜか自信満々。それっぽい反論を「後で」出したりするのだが、いかんせん、ポイントがつかめていないせいか、その反論も反論になっていない。

・理屈では勝てないとわかるとネット上で誹謗中傷かきまくり

やばすぎる。他にも特徴はあると思うが、特にネット上では、即座に力量がわかるわけではないから、こういった傾向を持った人には注意しなければならないと思った。


面白いと思ったのは、ネット上にこういった人は確かに多いこと。
精神科的観点からあれこれコメントしてみたい。

ところで、このブログでも度々より上げてきたドルフィンプロジェクトだが歴史的評価の段階に入った感がある。
あのプロジェクト内部にも上で述べたような感じのちょっと困った感じの人がいたんではないか?みたいな記事が、最近(2024年2月)チラホラ目につくようになった。

Monster Pseudo-Developer in Dolphin』あたりをご参考に。

(追記)歴史的評価といきたいところであったが、AI まとめが出鱈目記事書いているので、それ対策に追われた。
結果的に dolphin のライセンスと著作権関係がかなり整理されたと思う。

OpenOcean/Dolphin と職務著作と GPL
IT プロジェクトで避けて通れないのが職務著作というやつで、dolphin プロジェクトの歴史的発展に絡めてかなり平易に説明されてます。

OpenOcean 怪文書 -GPL 誤用による違法行為教唆-
職務著作などの概念がわかった上で、この記事↑読むと状況が頭に入ると思います。GPL 違反は海外の法的係争に至った案件で紹介されることもありますが、ああいうのは立派すぎて実感を伴わないものが多い。
実際に起こった事件を扱ったものではナンバーワンでしょう。


最近、ヤバい人、というほどではないが、「この感覚は何か違うのではないか?」と認識されたのは、この記事で取り上げられた人でしょう。
この人の場合は、日常生活では普通の人なのではないかと思う。
だが・・

たとえ通常時は常識的で善良な市民であっても、ひとたび「開発者」という名誉を独占するチャンスが見えた時、人は簡単に悪を働く、というのはオープンソース界隈で散々見てきた光景だ。2.7m 系のドキュメントを参考にしても、コードは 2.7 ベースにしておく、みたいなことはこれまでにも何度かあったのだ。  引用元

という事情はありそうですね。
OSS はよからぬ人を惹きつける魔力みたいなものはある。あるいは人間の中に潜むよからぬ部分を肥大化させる力と言ったらいいか。

私たちがこの人に感じた違和感をメモしておく。

・PR が「無効になった」と主張するが、無効になってない。

・初期の頃、皆川和史の名前を削ぎ落とそうという意図が感じられたが、2003-2012 は Digital Globe が著作権を保有していたわけだから、そこは尊重しないと過剰編集になる。
(→その後、態度を変え、なんというか皆川信仰者のようになり、ライセンスも GPLv2 を主張していた。)

・ビルドテストもできていない段階で権利を主張する。

・対話性がない。
主張が一方的

・レビューされるのを恐れる。

などなど。

特に「レビューを恐れる」に関しては、流石にコメントしておく必要があるだろうか。
dolphin のコードは元を正せば e-dolphin 時代のものです。著作権所有者は変わってきましたが、あくまで「オープンソースとして開発」されたものです。
当然、オープンソースとしてのライセンスは引き継がれます。利用者には公開義務があるし、誰かがそれが適正に行われているかチェックする必要があるでしょう。その一環としてのレビューが嫌いだ、好まないというのであれば、利用をやめるべきでしょう。
公共財を使うということはそういうことです。

結果的にプロジェクト自体が開発中止となり、彼の主張も主張のままになった。

 

ANN2b