無料で使える電子カルテ

OceanMini が無料で配布されているが、ほかにどんなのがあるだろうと思って調べてみた。

なお、きりんカルテはサービス停止が決まっているため、ここでは除外。

・・・なんだが、現在のガイドラインの基準を満たすのは OceanMini 以外なかったですね。
エクセルとかで SOA 入力を促すようなやつはあったんですが、こういうのは

・ログイン認証がない

・真正性をみたせない(履歴が残っていないといけない)

あたりでひっかかっちゃうんです。

OceanMini 一択ですね。。。。

 

 

OceanMini の AI 文書作成機能

OceanMini に AI による文書作成機能を追加したので、早速自分で試してみる。

0 準備

OceanMini から ollama の API を介して LLM に問い合わせをする、という形式をとっているので、この機能を使うには、OceanMini が稼働している Mac で

ollama (model: pakachan/elyza-llama3-8b:latest)

が走っている必要があります。
あらかじめインストールしておいてください。

1 カルテ作成

まず、「外来」や「検索」から患者を選びカルテ一覧画面に飛んで、カルテを作成する。
(ORCA と連動していないと「外来」で患者は選択できないので「検索」から特定の患者さんを選んでカルテ一覧に遷移させてください)

私が作成した「架空症例」は以下のようなもの。


AA は、A大学医学部を卒後、精神科医として臨床に従事。
2022年より訪問診療のクリニックを開設。経営者としての負担が重く、ストレス解消のために麻薬を吸引するようになった。
違法薬物使用は次第にエスカレートし、2023年春頃には覚醒剤を常用するようになっていた。
今年(2025年)の1月頃より、覚せい剤常習者を取り締まる影の組織があり、その組織の暗殺者がAAを狙っていると思うようになった。
8/12
朝から被害妄想増強し、落ち着かなくなり、路上で「やられる前にやってやる」と叫び、通行人を追い回していたところ、警察に保護された。15:30 当院にて当医の診察の結果、覚醒剤精神病と診断され、措置入院となった。入院時、精神運動興奮が続いていたため拘束する必要があった。
8/15
メジャートランキライザーをメインに薬物治療を試みたが、ほとんど効果がなく、m-ECT を施行することとした。CT 撮像、器質的な疾患を除外。
8/20より ECT の治療を開始した。治療にあたっては、ソマティック社製のパルス波装置(サイマトロン)を用い、電極は両側頭性に置いた。麻酔導入薬としてプロポファル 1.0mg/kg を用い、筋弛緩剤としてサクシニルコリン1.0mg/kg を使用した。
初回から第3施行まではサイマトロンのデフォールト設定の『LOW 0.5 (パルス幅は 0.5ms に固定されている)』を用い装置の最大投与電気量( 504mC )で施行したが、けいれん波は誘発されなかった。そのため第3施行の直後におこなわれた第4施行では『LOW 0.25 (パルス幅 0.25ms)』に設定を変更したが、予想に反し、けれいん波は誘発されなかった。第9病日におこなわれた5回目の施行では、『LOW 0.5』設定で脳波上・筋電図上、9秒間のけいれん波の誘発を認めたが、これはけいれん誘発持続時間が短いと考え、直後の第6施行ではパルス幅を1.0ms に変更して施行した。この設定変更はうまくいき、十分なけいれん誘発持続時間を持った望ましい波形のけいれん波の誘発に成功した。その後の治療では、副作用を避けるため投与電気量を下げながら施行した。パルス幅 1.0msでは、(最大投与量の)60%の電気量で望ましいけいれん波の誘発が得られた。パルス幅 1.5msでは、(最大投与量の)40%の電気量でけいれん波の誘発が得られた。
彼の精神症状は著しく改善されたので、われわれは11回目の施行で ECT の治療を終了した。
9/10、措置解除、配偶者の同意のもと、医療保護入院とした。患者は退院準備のため慢性期病棟に移動となった。
現在は、退院調整中である。


後半は Inomata et al 2011 を参考に作成。前半に関してはノーコメント。
なお、画像は貼っていてもかまいません。LLM に渡す前に html タグは全部取り除いてます。

2 プロンプト編集

ここまで準備できたら、画面上部の「AI 支援文書作成」ボタンをポチる。
(名称は変更するかもしれませんが)

するとプロンプト編集エディターがモーダルで立ち上がる。

あなたに時系列に沿ったカルテを提示します。時系列に沿ってサマライズしてください。入院期間がある場合には、入院前の記録をまとめた【現病歴】と入院期間の経過をまとめた【入院後経過】に分けてまとめ、出力しなさい。

入院期間を含む場合のプロンプトはこんなものでいいでしょうか。
よければ、「生成(最大2分)」を押す。
なお、2分というのは、最初、LLM に問い合わせれば、数秒でレスポンス返ってくるだろうと甘いことを考えていて、別スレにするとかの工夫をしていなかった頃の名残。とりあえず2分。
今は、この機能は本体とは別スレッドで回しているので、5分とか10分とかでも(たぶん)いけます。要望あれば言ってください。
レスポンス返ってくる間に他の画面を操作しててもいいです。

3 結果

文書が生成されると以下のアラートが表示されます。

OK でカルテ生成。
今回はこのような文書が得られました。


以下、カルテを時系列に沿ってサマライズします。

【現病歴】
2022年より訪問診療のクリニックを開設し、経営者としての負担が重くストレス解消のために麻薬を吸引するようになった。違法薬物使用は次第にエスカレートし、2023年春頃には覚醒剤を常用するようになっていた。

今年(2025年)の1月頃より、覚せい剤常習者を取り締まる影の組織があり、その組織の暗殺者がAAを狙っていると思うようになった。8/12 朝から被害妄想増強し、落ち着かなくなり、路上で「やられる前にやってやる」と叫び、通行人を追い回していたところ、警察に保護された。

【入院後経過】
8月15日:メジャートランキライザーを試みたが効果なく、m-ECT を施行することとした。CT撮像では器質的な疾患は除外した。
8月20日より ECTの治療を開始した。
第1〜3施行までは設定に変更し「LOW 0.5 (パルス幅は 0.5ms に固定されている)」で施行、けいれん波が誘発されなかったため、第4施行から第6施行までは設定を『LOW 0.25』に変更したが依然としてけいれん波は誘発されなかった。第9病日には「LOW 0.5」で脳波上・筋電図上、9秒間の望ましいけいれん波の誘発を認め、直後に設定変更してパルス幅1.0msにしたところ、十分なけいれん誘発持続時間を持った望ましい波形のけいれん波の誘発に成功した。
以降は投与電気量を下げながら施行し、11回目の施行で ECT の治療を終了した。

9月10日:措置解除、配偶者の同意のもと、医療保護入院とした。患者は退院準備のため慢性期病棟に移動となった。
現在は、退院調整中である。


4 考察など

カルテでは、ECT の設定が細かすぎるくらいなのだが、サマリーではいい感じにエッセンスをまとめてくれている。
もちろん、より高位のモデルを使えば、もっと上手くまとめてくれるのだろうが、Mac ローカルで走らせるとなると、これくらいが最適のように思う。
なお、qwen2.5:1.5b では、まともな日本語になっていなかった。

実際のカルテでもこのクオリティで文書を作成してくれたら、使えると思います。

5 今後の課題

今回は文書作成ということで画像は取り除いたが、実際には画像は画像で別の AI に渡し診断補助に使う、などとすると応用が広がりそう。

いわゆるマルチモーダルな診断補助というやつ。

医療系だと診断は忌避される傾向にあるのだが、私からするとじゃんじゃんやってほしい。
例えば、上の症例にしても、「覚醒剤精神病」としたが、細かいことを言うなら

覚醒剤使用をきっかけに発症した統合失調症

なのか

覚醒剤精神病

なのかは、鑑別していない。
実際にこれに近いケース受け持ったら、両者を自信を持って鑑別できる精神科医は少ないと思う。

 

 

OpenOcean 感想戦 -オープンソースと犯罪幇助・教唆-

まさか 2025 年にもなって OpenOcean の話をするとは思わなんだ・・・。

OpenOcean というのは、われわれが 2018 年に公開していた OpenDolphin 由来の電子カルテだ。
「OpenOcean は GPL 違反をしている」という主旨の記事がネット上で(再)発見されたため、反論の意味を込めて当方も記事を書く必要があったのだ。
反論系の記事はいくつか書いたが『小林慎治氏の OpenOcean に関する事実誤認』が一番まとまっているでしょうか。

「LICENSE 文書の (C) 表記が Kazushi Minagawa から air-h-128k-il になっている」というのが GPL 違反の根拠なのだが、当方が精査した結果、その LICENSE 文書の (C) 表記自体が Life Sciences Computing Corp という本来の著作権保有主体から Kazushi Minagawa に当の Kazushi Minagawa 自身の手によって改竄されていた、ということが判明した。(GitHub 関連 issue はこちら

図式的に書けば

彼らの主張:Kazushi Minagawa → air-h-128k-il

実際:Life Sciences Computing Corp → Kazushi Minagawa(改竄後) → air-h-128k-il

ということになる。

それほど声高に主張する気はないが、小林慎治のやったことは、私的文書偽造(改竄)の共犯みたいな位置付けになるはずで、どうするんでしょうね、これ。
われわれにしても彼らの要求を呑んでたら、業務上横領とかの犯罪の片棒担がされてた可能性もあるわけで(後述します)、今になってけっこう戦慄している。

それはともかく、この手の誹謗中傷に対する反論というのは、けっこう気を使う。相手の主張に対して過不足なく反論のロジックを組み立てていかないとそもそも反論にならないし、根拠も客観性が欲しい、主観的表現はなるべく使わない・・などなど。気にしなければならないことは多いのだ。

だから、そういった反論には書き切れないことがある。
感想や改善策といったことだ。

鬱憤も溜まっているので、ここではそういったことなど。
ああ、だから、推測なども含みますので、誤解なきよう。念の為。


オープンソースを隠れ蓑にした犯罪幇助・教唆

感想としてまず思ったのは、怪文書の主張の内容が poor で拍子抜けしたこと。

GPL やら著作権法やらを持ち出しててきているので、大層、物々しいロジックでそういう結論に達したかと思っていたのだが、よくよく読んでみると単なる (C) 表記だけの話。

これがなんといって良いやら・・。

フォーク元のクライアントログイン画面は図のようになっている。

ある程度わかっている人たちだったら、一見して「このアプリは LSC が著作権管理をしている職務著作によるものですね」になると思う。著作権法的にも GPL 的にも形式的にはまるっきり正しい表記法だ。

私だったら

職務著作に GPL を適用したら、個人としての著作権や GPL 的な author としての権利はどうなるのか?

みたいなオープンソース的な話にするかなあ。
怪文書にしても
「経営のためやむなく皆川は著作権を譲り渡したが、設計や実装では、XX をやったので、GPL 的な意味では author として認められるべきだ」
みたいな筋書きだったら、まともに検討したと思う。
われわれが後に Junzo SATO さんでやったことはまさしくそういうことなのだから。

有効性の疑わしい LICENSE の (C) マークを根拠に全ての権利は皆川のものだって犯罪者の論理でしょ。ジャイアンの理論といおうか。業務上横領を容認せよとかそういう話に聞こえてくる。犯罪の共謀の幇助の強要? 無理ですね。

実際、(C) Kazushi Minagawa は改竄でしたって盛大なオチもついているわけだし。

ところで、この話で思い出したのだが、リアルで LSC の人に会った時に、皆川さん、かなり否定的な評価のされ方をしていたこと。何もそこまでと訝しんでいたが、その答え合わせをさせてもらった気分ではある。
GitHub リポジトリの編集権を盾に会社のものを自分名義で発表されたら、そりゃ新しい会社経営陣は怒るよね。

自分たちで独自のプロジェクト起こせば?

けっこうよくあった感想は「なんで、皆川和史や小林慎治は、自分たちで独自プロジェクトを起こさなかったのか?」というもの。

単純にそこまでする能力がないってことなのか?と深く考えずにいたが、犯罪の構成要件みたいなことに思いが至ると話はガラッと変わってくる。

所属先の保有する財産を自分の手で配布したとなるとわかりやすい業務上横領になるが、オープンソースの著作物ということで、第三者が配布してしまうと彼らは手を汚さないで済む。

考えすぎだとは思うが、そうなる可能性もあっただけに怖い。

 

(続く)

OpeOcaen プロジェクトを代表して
air-h-128k-il

 

OpenOcean の怪文書

増田茂が書いたとされる OpenDolphin 関係の怪文書が某所で見つかり、反論の意味も兼ねて『いるかの怪文書』などが公開された。

関係者に聞いたら「小林慎治が書いた OpenOcaen 関係の怪文書もある」とのことだったので、読ませてもらった。

「いるか怪文書」とは違ってロジックがあそこまで支離滅裂ということはなかったが、主張内容がなんと言おうか・・・やはり、怪文書かな?


私がパッと感じた違和感は・・

・OpenDolphin は GPL である、というのが前提になっているが、その後の経緯を見ればわかるように、ほとんどのプロジェクトが 2018 年を境にオープンソースっぽさを失っていく。
この時期のいるか界隈のことは、私は詳しくないので、関係者からの情報発信を待ちたい。→『OpenOcean は GPL 違反?』、『小林慎治氏の OpenOcean に関する事実誤認』公開。

・README の主張を信用しすぎ。
Junzo SATO さん担当部分が再評価されてきて、ソースコード提供者が思っている以上にいることが判明しつつあった時期。著作権の問題をひとまず置くと、GPL でいうところの author は、README 記載の人物以外にもいることは明らか。 README を重視するのは不自然。

・同じ理屈で、ソースコードは全公開しておく方が適当。
まだ見つかっていない author がいる可能性があるわけだから、クローズドな形で publish しても意味がない。Junzo SATO さんの名前を出してない時点で「適切な著作権表示」とは言えない。
この観点からすると増田ファクトは GPL 違反。


これ GPL という枠組み取っ払うと「e-Dolphin の成果 + 職務著作」という内容。

職務著作の場合、個人名が著作権表記になることはほぼない。
問題になっている (C) Kazushi Minagawa は、職務著作とするとその表記はかなりおかしく、経営陣が変わった時に咎められた、と見る方がすっきりする。

(続く)

 

 

増田ファクト(opendolphin-m)ユーザーってまだいたのか?

梅雨入り、鬱陶しいなあと思いながら、X チェックしてたら、いまだに opendolphin を自力運用?している人がいた。

過去ポストなど読むと、スタッフによる自力運用だという。

引用ポストでも書いたが、よほどスキルに自信がない限りやめておいた方がいいと思いますが。

(追記)なお、opendolphin-m (いわゆる増田ファクト)は OpenDolphin HTML/PDF Viewer のサポート外です。

猪股先生あたりがそのうち言うと思うけど

・ソースコードが明らかにされていない

・開発者とされていた増田茂医師がデータ外部コンバートツールは不要と主張

しているからです。

われわれは、この手のソフトがないと現在のガイドライン基準を満たせないと考えていますが、そうではないという主張自体はその人のポリシーだと思うのでそのこと自体にとやかくいうつもりはありません。

要らないと言ってる人に押し売りしてもしょうがないでしょうから。

(追記2)OpenDolphin 関連で最近(2025 秋)のトピックは OpenOcean 怪文書だが、鍵となったのは各プロダクツの fork 順。

いわゆる増田ファクトは 2.2.1 からの fork のようだ。

私は、オリジナルの 2.3m は持ってないので、図はここから取ってきた。

小林慎治の主張は、dolphin-dev 2.2 → 2.3m → 2.7m → OpenOcean の順で fork されているので、Kazushi Minagawa の名前を入れてないのは GPL 違反だというもの。
実際は、 2.7.0b → 2.7m → OpenOcean なので、批判にもなってないのだが、Kazushi Minagawa 表記にしても、Life Sciences Computing から改竄されたものだってのには驚いた。(猪股先生はかなり早い段階から気がついていたようですが)
そこまでして自分の名前をアピールしたいものなのかと愕然とする。

あと、こういう局面で人前で何かを主張するにもある程度のリテラシーは必要。

ええと、検証というのはですね、ゴニョゴニョ