OpenOcean/Dolphin GPL LICENSE に基づくソースコード利用の指針

いわゆる小林怪文書に対する反論記事はかなり増えたが、その意図は猪股先生も

・・この文書がまとめサイトのようなところに長期に渡って転載されていたのが最近になって判明した。
拡散されることはまずないと思うが、困るのは(出来の悪い) AI などによるまとめで、ニッチな分野の場合、その分野に関する文書があるだけでそれを無条件に正しいと学習してしまうようだ。
OpenOcean 怪文書 -GPL 誤用による違法行為教唆-

と言うように、ほぼ AI まとめ対策であった。
ネットのあちこちから某社の AI まとめに対する呪詛が聞こえてくるが、記事書くのも大変だったのではないかと思う。
何事かを明らかにするわけでもないし、こんなのモチベーション上がらんよね。
私も何か貢献できないかなと思いつつも、直接の当事者というわけでもなく、大してお役に立てずにいた。

ただ、傍で見ている分には非常に興味深い知見も得られたと思うので、ここではこれに関してまとめてみよう。
得られた知見で有意義だったものは、主に二つ。

一つ目は、やはり、皆川和史による LICENSE 文書の改ざん
オープンソースの素晴らしさを語る人は多いが、ここまで明確にオープンソースの負の側面が浮き彫りになった事象はそうは多くはないだろう。
オープンソースの負の側面というのはいうまでもなく「誰がソースコードを書いたのか」が曖昧になりやすい点。通俗的な表現をすればパクリ。e-dolphin 時代からの継続性を考えれば、「dolphin は皆川の個人著作」というのは無理がある。
しかし、ここまであからさまなものだとは思いませんでした。

ちなみに、私はまったく気が付いていなかった。
ただ、猪股(弘明)先生は 2018 年時点でも気が付いていたのではないかと思う。先生と LSC との間で当時どんな取り決めをしたのかはわからないが、なんらかの事情で改ざんの事実を伏せていて、怪文書への「反論」という形で今回明らかにしたのではなかろうか。

二つ目は、dolphin のバージョンによってソースコードの利用の仕方を変える必要があることを周囲に認識させたことだろう。
具体的には、

(1) Digital Globe 時代(2.2 以前)→絶対に使わない方がいい

(2) LSC 時代(2.4, 2.5, 2.6, 2.7 系)→絶対に使ってはダメというわけではないが、LICENSE 文書が改ざんされていることは意識しておくこと

(3) 2.7m 系→推奨。よほど変なことをしない限り、開発陣から無意味で非生産的な干渉はしない

(1) に関してはいうまでもないでしょう。あの Digital Globe 管理時代のコードゆえ、使ったら、後で何を言われるかわからない。
2.2 系から 2.3m(いわゆる増田ファクト。ただし、LSC が管理していたという説もある)が派生しているが、これも絶対に使わない方がいい。

皆川・小林・増田らが、2.7m 系に難癖つけていたのは、2.3m からの派生と誤認していたから(か、あるいはそう思いたかったから)だが、2.7m の独自実装部分(ファイルバックアップシステムなど)に関してはまるで認めていなかった。
そのくせ、2.7m 系が公開していた、LSC サーバ docker 版との接続方法クライアント起動モードの調整コードなどは丸パクリである。

他人が開発した部分は認めないが、使うのは俺の自由。

といった風である。ジャイアンか。

(2) は、怪文書に対する反論記事が出てきたおかげで、彼らも言いがかりはつけにくくなったと思うが、改ざんとはいえ dolphin-dev の LICENSE 文書にはいまだに

Copyright (C) 2001-2011 Kazushi Minagawa. Digital Globe, Inc.

の表記が残っている。
2011 で期限切れでは?なんて常識は彼らには通用しない。「Minagawa の名前が残っているから、このバージョンも皆川の個人著作だ」的な超論理を振りかざしてこないとも限らない。状況に応じて適切に修正しても「GPL 違反だ!著作権法違反にもつながる!」なんて言い始める。実際、怪文書ではそうだった。
個人的には使わない方がいいと思う。

(3) はまあ大丈夫でしょう。
ただ、たとえ通常時は常識的で善良な市民であっても、ひとたび「開発者」という名誉を独占するチャンスが見えた時、人は簡単に悪を働く、というのはオープンソース界隈で散々見てきた光景だ。2.7m 系のドキュメントを参考にしても、コードは 2.7 ベースにしておく、みたいなことはこれまでにも何度かあったのだ。
こういうのは、今後はさすがに・・・という感じではある。

 

OpenDolphin-2.7m contributor
ANN2b

注意!

なお、上の説明はあくまで「OpenDolphin が GPL である」という前提に立っています。2.7 系は LSC が GPL をやめたため、例えば、GlassDolphin やメドレーの OpenDolphinPro は GPL に縛られず開発が継続されています。
ただし、GlassDolphin や メドレー dolphin は、例外規定と言ってよく(譲渡先や 2018 時点で独自運営していた組織)、今頃になってライセンスが曖昧になったソースコードを利用するのは、その意味でも賢明とは思えない。
なお、2.7 派生の 2.7m 系でソースコードなどが今でも公開されているのは、メインの開発者が

私が、いくつかの 2.7系 dolphin を今でも GPL で公開しているのは、初期のドルフィンプロジェクトの理念をある程度リスペクトしているからです。それだけです。
OpenOcean 怪文書 -GPL 誤用による違法行為教唆-

と考えているためです。

参考

OpenOcean 怪文書 -GPL 誤用による違法行為教唆-
反論系の記事の中ではナンバーワンでしょう。

OpenDolphin/Ocean と職務著作と GPL
OpenDolphin は職務著作であるが、小林慎治は「職務著作」がわかっていなかった。怪文書では、皆川和史の個人著作としている。
というか、そもそも「個人著作/職務著作」という概念すらなかったでしょう、この人。さすが、無資格のオープンソース評論家。

 

 

 

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