Save the DolphinS -OpenDolphin データ抽出ツール・プロジェクト-

久しぶりに電子カルテ OpenDolphin-2.7m(実質的には OpenOcean 0.0.1 と一緒)を臨床現場に投入するかもしれないということで、データ抽出ツールも数年ぶりにテスト稼働させる。
開発言語である Java のバージョンも上がっているし、まるっきり動かないかと思っていたら、そうでもなかった。

細かいところではもちろん不具合はあるのだが、データベース(PostgreSQL)に永続化されているカルテ記載内容を OpenDolphin を経由せずに取り出してくれた。
ちょっとほっとした。

なんで、こういうものが必要なのかは一般の人にはわかりにくいと思うが、電子カルテには縛りがあるためだ。具体的に気にかけておくべきは

・カルテ自体に保管義務がある
・電子カルテには3要件(真正性・見読性・保存性)が求められている
・3要件自体はガイドラインで罰則はないが、e-文書法(電子文書法)が適用される場合には罰則の対象になる可能性がある

の三つくらいだろうか。

ここらへんの解説は『OpenDolphin と電子カルテの3要件とメドレー』あたりを読んでみてください。

3要件のうち面倒なのは「真正性」というやつで、

電子カルテのデータを例えばデータベースに保存する場合、「誰が」書いたのか、その後「いつ、誰が」改変(あるいは消去)したのか、わかるような特別の仕組みをつくりこんでおかなければならない

とちょっとややこしい。
たいていの場合、ユーザーにシステム上の記録の「消す」作業に制限をかけることでこの条件をクリアしていると思う。こうしておくと、電子カルテ画面上である表現を削除したとしても、削除する前のバージョンは残っているので、データベース上にはこの一連の経過が残ることになる。
システムレベルで「上書き保存」ではなく「別名で保存」を採用しているといえば伝わるでしょうか。

だが、こういう作り込みをしてようやく「真正性」をクリアしたとしても、問題はまだ終わりではない。

何か問題がおこって、例えばカルテ開示を求められたような場合、そのカルテの(日付上は)最新の日時のバージョンを提示してもそれだけでは厳密にはカルテ開示したことにはならない。
想像つくかと思うが、医療者側に都合よくカルテ記載内容が書き換えられているかもしれないからだ。
この場合は、正しくは、通常使用では見えない状態になっている「消された表現」の部分も提示する必要がある。

実際、上の例でもこの患者さんのカルテは3件だが、途中経過版を含めると11件になっている。

MML 出力(という外部出力機能。ただし MML 規格はほとんど普及しなかった)を引き受けるサーバがない状態での OpenDolphin は、果たして電子カルテの3要件を満たしているのか?という疑問は実際よくあがっていた。

最近(2021 あたりからか?)では、保健所の個別指導あたりでもこの程度の開示は求められることがあるので、もはやこういった機能(途中経過版の抜き出し・修正履歴の出力など)の実装は必須だろう。

ローカルで稼働する OpenDolphin は、商用での開発が止まったため、自力運用する場合には、ここらへんの配慮をする必要があるのだ。

 

air-h-128k-il

(追記)データ移行ツールですが、出力形式を html・PDF にも対応させました。

ですが、これは保管・閲覧向きだと思うので、移行ツールから独立させ、OpenDolphin HTML/PDF Viewer という別のソフトとしました。
開発状況などは『OpenDolphin HTML/PDF Viewer プロジェクト』をご参照ください。

(追記2)Save the DolphinS としているから、一部ユーザーから全ての opendolphin 派生プロダクツを対象としていると思われていたようだ。
そんなことはない。
2.7 系列は基本上のアプリでうまくいくと思うが、それ以外はうまく動くかどうかはあやしい。
当たり前だが、データベースの構造自体が異なり、そのソースコードも明らかにされていないようなバージョンでうまくデータの抽出ができる保証はないからだ。
例えば、いわゆる増田ファクトは、動作保証外。
そもそもテストすらできないし、開発者とされていた増田茂自身がこの手のソフトは不要、と言い切っていたので、積極的に対象とする必然性もないでしょう。

 

ネット上の「ヤバい人」再録

出身研究室の合同OB会があったときに出たネタを某院生がブログに書いていたくれたのだが、諸々の事情で非公開になっていた。
けっこう面白いと思ったので、関係者の許可を取ってこちらに転載。


GW 期間中の某日、恒例の OB・OG を交えての懇親会があったのだが、そのとき話題に昇った「ヤバい人」が本当にやばかった話をまとめる。

以前にもどこかで、医師にはマナーの悪い人もいるみたいなことを書いたが、それはお金に汚い、とか理工系関係者に対する態度が尊大だ、程度のことだ。この人は筋金入りだった。某先生いわく「治療が必要なレベル。発達障害と人格障害を足して2で割って、さらにサイコパス要素も加えたようなレベル」だそうだ。粘着な感じも相当で、だから、ここではこちらが特定されないように「ヤバい人」という呼称を使わせてもらう。

技術的におかしなことを挙げていくときりがないし、今回伝えたいことはそういうことではないので、こういう特徴を持った人がいたらまともにかかわっちゃだめだよ!的な感じでまとめたい (^^;)

・態度が身分不相応に尊大。現実的には、社会的評価や業績に圧倒的ともいえる差があるにもかかわらず、特定の意にそぐわない行動を取る人を攻撃対象としかみていない。

・反論が幼稚にもかかわらず、なぜか自信満々。それっぽい反論を「後で」出したりするのだが、いかんせん、ポイントがつかめていないせいか、その反論も反論になっていない。

・理屈では勝てないとわかるとネット上で誹謗中傷かきまくり

やばすぎる。他にも特徴はあると思うが、特にネット上では、即座に力量がわかるわけではないから、こういった傾向を持った人には注意しなければならないと思った。


面白いと思ったのは、ネット上にこういった人は確かに多いこと。
精神科的観点からあれこれコメントしてみたい。

ところで、このブログでも度々より上げてきたドルフィンプロジェクトだが歴史的評価の段階に入った感がある。
あのプロジェクト内部にも上で述べたような感じのちょっと困った感じの人がいたんではないか?みたいな記事が、最近(2024年2月)チラホラ目につくようになった。

Monster Pseudo-Developer in Dolphin』あたりをご参考に。

(追記)歴史的評価といきたいところであったが、AI まとめが出鱈目記事書いているので、それ対策に追われた。
結果的に dolphin とライセンスと著作権関係がかなり整理されたと思う。

OpenOcean/Dolphin と職務著作と GPL
IT プロジェクトで避けて通れないのが職務著作というやつで、dolphin プロジェクトの歴史的発展に絡めてかなり平易に説明されてます。

OpenOcean 怪文書 -GPL 誤用による違法行為教唆-
職務著作などの概念がわかった上で、この記事↑読むと状況が頭に入ると思います。GPL 違反は海外の法的係争に至った案件で紹介されることもありますが、ああいうのは立派すぎて実感を伴わないものが多い。
実際に起こった事件を扱ったものではナンバーワンでしょう。


最近、やばい人、認定されたのは、この記事で取り上げられた人でしょう。
この人の場合は、日常生活では異常ではないと思う。
だが・・

たとえ通常時は常識的で善良な市民であっても、ひとたび「開発者」という名誉を独占するチャンスが見えた時、人は簡単に悪を働く、というのはオープンソース界隈で散々見てきた光景だ。2.7m 系のドキュメントを参考にしても、コードは 2.7 ベースにしておく、みたいなことはこれまでにも何度かあったのだ。  引用元

という事情はありそうですね。
OSS はよからぬ人を惹きつける魔力みたいなものはある。あるいは人間の中に潜むよからぬ部分を肥大化させると言ったらいいのか。

私がこの人に感じた違和感をメモしておく。

・PR が「無効になった」と主張するが、無効になってない。

・皆川和史の名前を削ぎ落とそうという意図が感じられるが、2003-2012 は Digital Globe が著作権を保有していたわけだから、そこは尊重しないと過剰編集になる。

・ビルドテストもできていない段階で権利を主張する。

・対話性がない。

・レビューされるのを恐れる。

などなど。

特に「レビューを恐れる」に関しては、流石にコメントしておく必要があるだろうか。
dolphin のコードは素を正せば e-dolphin 時代のものです。著作権所有者は変わってきましたが、あくまで「オープンソースとして開発」されたものです。
当然、オープンソースとしてのライセンスは引き継がれます。利用者には公開義務があるし、誰かがそれが適正に行われているかチェックする必要があるでしょう。その一環としてのレビューが嫌いだ、好まないというのであれば、利用をやめるべきでしょう。
公共財を使うということはそういうことです。

 

ANN2b