回線(キャリア)と端末は別、というトレンド

アハモフック、いやいやアハモショックの影響で、「回線と端末は別々に選ぶ」という時代にはなってきたと思う。

回線

実際、ある程度使える回線を表にまとめるとこんな感じになると思う。

主要キャリア 格安プラン サブブランド
docomo ahamo OCNモバイル?
au povo UQ mobile
softbank LINEMO Yモバイル

お金に余裕のある人は主要キャリアの適当なプランを選んでいれば間違いはないが、例えば、ほぼ一人で使うというような場合、各種サブブランドを選んだ方が経済的に節約になる。
さらに、データ使用がそれほどでもない場合(数G程度)、UQ mobile の繰り越しSプランで事たりる。


極端な例かもしれないが、独居で 60歳以上でほぼ通話にしか使わないといった場合、現状だと UQ mobile を契約して 60歳以上の1000円割引を申請するのが今のところもっとも安くあがる。

また、家族割りを使う場合は、ワイモバイルの料金体系はかなり工夫されている。
1回線使用の場合、それほど安いということはないが、2回線目からかなり割引が効き、家族で使う場合にはトータルとしてはかなりリーズナブルな料金になる。

端末

回線の工夫に比べ、今ひとつ立ち遅れているのは、端末の方だ。
これまで端末はキャリアの代理店で購入することが常識とされていた。
この際、docomo でも au でもいいのだが、docomo 版の android 端末を購入した場合、au 系列の UQ mobile に切り替えようとすると、docomo の電波をすべて掴むということができない仕様になっている。
せっかく回線提供会社が、さまざまな工夫をしていても、これではかえって使いにくくなってしまう。

解決策は国内 SIM フリー版を端末メーカーから直接購入すること

この点、うまくやっているのは iPhone だろう。
公式サイトで購入すれば、国内SIMフリー版が何の苦労もなく購入できる。
あとは、好きな回線の物理SIM や eSIM を装着すれば、原則、どの回線でも使用できる。特定のバンドを潰すということはしていない。
問題は現時点で他の端末メーカーがこの方式を採用していないことだ。
sumsung の galaxy シリーズなどはかなり人気のある機種だと思うのだが、購入できるのは docomo と au を通じてのみだ。

ただ、最近になってこの慣例にも翳りが出始めているようだ。
今のところ SONY だけなのだが、公式サイトで国内 SIM フリー版を販売するようになった

上の画像は、公式サイトから持ってきたが、極めて当然のことをいっているように思える。

この流れが今後のスタンダードになることを切望する。

 

air-h-128k-il

ahamo の端末が妙に安い(ただし iPhone11, Galaxy S20, Xperia 1II のみ)

今ちょっとした話題になっている ahamo だが、回線だけでなく端末も販売している。ただし、現時点では iPhone11, Galaxy S20, Xperia 1II のみだが。
https://ahamo.com/products/#phone

眺めていて気がついたのだが、概ね docomo や au 本家 やアップルストア(iPhone の場合)から購入するよりも安い。

例えば、iPhone11 128G だと
・アップルストア 69800 円
・ahamo (回線と同時購入で) 54980円
とかなりお得になっている。

Galaxy S20 に至っては
・au        95945円
・ahamo 62700円
妙に安い。

えーと、なんかウラがあるんでしょうか?

取り扱い機種を絞ることで諸々のコストをカットしたってことかなあ。

でも、少々型落ちした機種でも気にしないって方には、これは本当にお得ですね。

 

猪股弘明

 

SIM なしでも iPhone 自体はアクチベートできるし、eSIM のみでも回線は開通できる -楽天モバイルを例に-

スマートフォンはアンドロイドを使っていたのだが、アップルにデベロッパー登録している身としては iPhone くらいは持ってないとあかんかなと思い、遂に数年ぶりに iPhone 導入。
サブ機として利用するので回線は楽天モバイルにした(現在、絶賛1年間無料キャンペーン中)。
世間的には ahamo や povo が話題をよんでいるのだが、
・データ通信なんて3Gも使わない
・都心部のみで通話できればいい
という人にはけっこう使い勝手のいい料金体系になっている。


なお、今回は設定を若干楽にするため SIM も物理 SIM はやめて eSIM というカメラで QR コードで読み取って設定するやつにした。

ところで、ネットでは
・iPhone は(物理 SIM でも eSIM でも)SIM がないとアクチベートできない
とか
・iPhone は eSIM のみでは回線は開通できない
みたいな記事をよく見かけた。

もちろん、両方とも間違い。

初期化された状態の iPhone の電源をオンにした後、Mac や WiFi などを経由してアップルのアクチベーションサーバと通信できさえすれば iPhone 自体はアクチベートできる
電源投入時にネットに繋がっていなくても iPhone はご丁寧にも「WiFi に接続してください」や「Mac とケーブルで接続してください」といったガイド画面が出してくれるので、その指示に従っていくだけでいい。

(まずは、iPhone 自体を SIM なしでアクチベートする)

いったん iPhone 自体がアクチベートされてしまえば、SIM の設定はその後でもできる。もちろん、eSIM のみでも回線開通は可能だ。
楽天モバイルの場合は、回線開通の方法や専用通話アプリ(これを使うとかけ放題になる)のインストール方法などが書かれた冊子が送られてくるので、その指示に従えばここら辺の設定はそれほど面倒ではない。

Rakuten Link という専用通話アプリの通話品質も少なくとも横浜や東京23区内では使えるレベルにはあると感じた(三大キャリア並とは言ってない)。

なお、Rakuten Link に関してもうちょっと詳しく知りたいという人は

などをご覧ください。
現状での実装の質はひとまず置くとして、RCS(Rich Communication Services)という国際規格に乗っ取ったアプリです。アヤしくない。

 

通話サービスエリアの状況を見ると(特に)山間部では微妙(下の図は楽天モバイルサイトより2021年2月15日取得)。


(濃い赤が自社回線によるエリア。ピンクが au や docomo から借りている回線によるエリア。青が2021年夏までにサービス提供できるエリア)

楽天モバイルをメイン回線で使うのはまだちょっと無理があるかもしれないが、都心部で割り切って使う分には問題ないでしょう。

 

(環境)
iPhone 12 (SIM フリー)
楽天モバイル UN-LIMIT VI
SIM: eSIM

 

air-h-128k-il

? 楽天モバイルでは iPhone12 は動作保証外らしいので、ご利用は自己責任でお願いします。

 

最近の iPhone/iPad の「プライベートアドレス」がわかりにくい件

スマフォ・タブレレットなどのデバイスをセキュリティに配慮して MAC アドレス制限つきのルーターに接続することはよくあると思うが、最近の iPhone/iPad だとルーターにそのデバイス固有の MAC アドレス(Media Access Control address。74:8F:3C:XX:XX:XX みたいなやつ)を登録したのでは繋がらないようだ。

最初、この仕様変更を認識しておらず、当然、接続できず。
「あれ、パスワード誰か変更した?」と訝しがりながら何回かパスワード(もちろん正しいもの)を入力した。
当然、無駄な結果に終わりましたとさ。

これはおかしいとネットで調べてわかったことなのだが、最近の iOS/iPadOS は、ネットワーク毎に本来の MAC アドレスとは異なる MAC アドレスを生成してルーターに接続するようだ。

だから、デバイス固有の MAC アドレスをルーターに登録したところでデバイス自体は MAC アドレスを偽装?しているので、ルーターはそのデバイスからの接続要求をはじいてしまう。

また、紛らわしいのは、apple は新たに生成されたアドレスを「プライベートアドレス」と呼んでいるところだ。
ローカルの IP アドレスではないってのが要注意ポイントでしょうか。

解決策は、「プライベートアドレス」の方をルーターに登録すればいいようなんだが、「プライベートアドレス」自体を使わないという選択肢もある。

やり方は、以下の通り(iPad のスクショで説明)。
「設定」画面で wi-fi の項目を選んでネットワーク一覧を表示させる。ここで対象とするネットワークの i マークをタップ。


すると画面遷移するので、


「プライベートアドレス」のボタンを横にスライドさせてオフにすれば、この偽装 MAC アドレス機能?を使わない設定になります。

 

air-h-128k-il

(追記)android も 10 から、「MAC アドレスのランダム化」がデフォルトになったようだ。もちろん、この機能をオフにして使うことは可能。ただし android 端末は機種が様々なので、その画面上での操作がやりにくい。もしこの機能を切りたければ、試行錯誤するかネットでまめに情報を探すしかないだろう。